昨夜は、NHKの深夜番組「迷宮美術館」を見ました。
「いわさきちひろ、カワイイ!の秘密〜出張・いわさきちひろ美術館〜」です。
これは、昨年8月25日放送された番組の再放送。韓国旅行中だったため見ていません。
練馬区・下石神井の「いわさきちひろ美術館・東京」からの放送です。
ちひろが作品のなかで多く描いた子どものモデルである館長の松本猛さんも出演して、館内にあるちひろの仕事場を案内されていました。
いくつかのクイズが出題され、ゲストが答える形で番組は進行していきます。
1問目の<ちひろの絵は、あっという間に描きあげられる>を、
ゲスト(小西美帆・高見恭子・原田大二郎)全員が正解します。
絵心のある三人のゲストが、ちひろの絵を模写する場面もみせてくれます。
水墨画の技法を使ったちひろの<色のぼかし方>を再現して見せてくれたのは、ちひろの孫娘・松本春野さんです。
「彼女は、なかなかのテクニシャンでしたよ!」
この孫娘は、ちひろの作品が技法の表現効果を十分に計算されたものであることを、
作品に即して解説し、いたずらっぽく言うのでした。
最後のクイズは、「戦火のなかの子どもたち」(岩崎ちひろ・岩崎書店・1973年)からの出題でした。
ベトナム戦争下の子どもたちの姿を描いたこの作品は、72年に制作され、73年に出版されました。
そして翌74年に、ちひろは肝臓がんのため55歳で亡くなります。
<あっという間に描いていた>ちひろも、「戦火のなかの子どもたち」は何度も描きなおしていたということです。
さて問題は、「この『戦火のなかの子どもたち』には、子どもだけが描かれていますが、
最後の一枚だけは別のものが描かれています。別のものとは何だったでしょう。」
小西美帆は「女性 家族を含む」
高見恭子は「母親」
原田大二郎は「子どもを抱きかかえる母」
と、回答しました。(記憶に基づくため、言葉は正確ではないかも。)
この「焔のなかの母と子」と題された絵に描かれた女性のまなざしは、印象深いものです。
ちひろは、自画像を描いたのではないかという人もいるようです。
「おにたのぼうし」(あまんきみこ・ポプラ社・1969年)
「もしもしおでんわ」(松谷みよ子・童心社・1970年)
「おふろでちゃぷちゃぷ」(松谷みよ子・童心社・1970年)
妻が、わが家の娘たちに、繰り返し読んでやっていた本のなかに、
ちひろが挿絵を描いていたこれらの絵本も入っていました。
「窓際のトットちゃん」(黒柳徹子・講談社・1981年)
妻は、ちひろの絵が入ったこの本がお気に入りで、よく読んでいました。
私が、ちひろを知ったのは、
「わたしがちいさかったときに」
(長田新編『原爆の子』他より・童心社・1967年)
「愛かぎりなく デカブリストの妻 抄」
(ネクラーソフ・谷耕平訳・童心社・1968年)
の挿絵でした。
師である丸木俊に対するちひろの姿勢など、疑問は残されたままではありますが、
彼女が多くの人びとに元気をくれたことだけは、まちがいありません。
そんなことなどを思い出しながら、眠りについたのでした。